まあ、レット! ご覧になって! あの車、全部アメリカやヨーロッパへ行くのね? まるでタラの綿花が世界中に輸出されていた頃のようだわ。いいえ、それ以上よ! ここには「未来」があるわ。鉄と電気の匂いがする、お金の匂いよ!
おやおや、スカーレット。君は相変わらず、派手な見かけには弱いな。確かに壮観だ。だが、あれはただの車じゃない。「借金の塊」だと言ったら、君のその美しい顔はどう歪むかな?
借金ですって? 意地悪を言わないで。新聞で読んだわ。この会社、ビングループ(VIC)はベトナムの誇りなんでしょう? 不動産で大儲けして、今は自動車、それに高速鉄道まで作ろうとしているって。ベトナムそのものじゃない!
その通りだ。ビングループはベトナムという国家の野心を一身に背負っている。不動産で稼いだ莫大な現金を、湯水のようにこのEV工場やインフラ事業に注ぎ込んでいるのさ。「内部相互補助(クロス・サブシディ)」というやつだ。 だがね、スカーレット。野心というのは、時に財布の中身よりも大きく膨るものだ。
でも、株価はこの1年で7倍以上になったのよ。私がタラを再建するには、こういう「爆発力」が必要なの。ちまちました配当なんて待っていられないわ!
フフ、君のその強欲さは嫌いじゃない。だが、熱狂(ユーフォリア)の宴には必ず終わりが来る。この「熱風」に乗って空高く舞い上がるか、それとも焼け焦げるか……。さあ、この巨人の正体を解剖してやろう。服を着て座りたまえ!
ビングループの銘柄基本情報
感情で投資するな。まずは冷静に、この怪物の履歴書(データ)を見るんだ。
※数値は2026年2月13日時点のデータに基づきます。
| 項目 | 内容 | 参照リンク(外部サイト) |
| 正式社名 | Vingroup JSC(ビングループ) | 公式サイト(IR情報) |
| ティッカー | VIC (ホーチミン証券取引所 HOSE に上場) | HOSE(ホーチミン証券取引所) |
| 主要業種 | 不動産、製造(EV)、観光、医療、教育 | Vietstock Finance (VIC) |
| 時価総額 | 約1,237兆3,587億ドン | Vietstock Finance (VIC) |
| 市場での地位 | VN30指数構成銘柄。不動産VHM、EVのVinFastを傘下に持つ、ベトナム経済の象徴。 | Vingroup Company |
国家規模の野心!? 日本の会社でたとえると?
数字はわかったけど、結局どういう会社なの? 日本で言えばどこに近いの?
想像力を働かせてみろ。「三菱地所」が「トヨタ」の夢を見て、さらに「ソフトバンク」のようなリスクテイカーになった姿だ。
まあ! 全部足して!? それじゃあ、ベトナム中のビジネスを独占しているようなものじゃない。
その通り。子会社の「ビンホームズ(VHM)」は国内最大の住宅開発業者で、ここがグループの財布だ。そして「ビンファスト(VinFast)」でEVを製造し、米国市場にも進出している。さらに高速鉄道や発電事業まで……まさに「ゆりかごから墓場まで」だ。病院(Vinmec)から学校(Vinschool)、リゾート(Vinpearl)まで、ベトナムに住んでいて彼らにお金を落とさずに生活するのは至難の業だよ。
若くて、野心的で、すべてを手に入れようとしている……。まるで初めて会った時のあなたみたいね、レット。
光栄だね。だが彼らの野心は、私よりもずっと高くつくぞ。
未来を不動産で買う! 概況とビジネスモデル
でも、どうやって儲けているの? 車は赤字なんでしょう?
鋭いね。彼らの「集金システム」は、綱渡りのようでいて実に計算高い。まずはこれを見たまえ。グループを支える「鉄壁の財布」ビンホームズ(VHM)だ。2024年度は売上の約半分(49%)をこの不動産部門が叩き出しているんだ(出典)。車やITなど色々な事業をやっているが、マンションを飛ぶように売り、その莫大な利益で、他の赤字事業の穴を埋めているのさ。
まあ! つまり、家を売ったお金で、他の冒険の資金を賄っているのね?
なりふり構わず……。その強引さ、嫌いじゃないわ!
すごいわ……。まるで戦争の後にタラを再建するために、製材所も雑貨屋も全部自分で始めた私みたいね!
ハッ! スカーレット、君の商売も度胸があったが、彼らと比べれば規模が可愛いものだよ。彼らが動かしているのは、君が愛する金貨の山を遥かに超えた「兆(トレイ)」単位の金額なんだから。
夢の代償は高い? 値動きと投資指標
ねえレット、そんなにすごい会社なら、今すぐ買えば大金持ちになれるわよね?
落ち着け、スカーレット。舞踏会でダンスを申し込まれたからといって、すぐに結婚できるわけじゃない。現実(数字)を見るんだ。確かに2024年のグループ全体の売上高は約189兆ドンと素晴らしい成長を記録した。だが、投資家なら「熱狂」の裏にある「数字」という現実を見るんだ。
数字? 今は種まきをしていて、いずれ綿花のように花が咲くのでしょう?
そうとも限らない。借金については説明したが、自動車の製造部門単体で見ると、実は2024年だけで約42兆ドンもの税引前赤字を出しているんだ(出典)。彼らは世界市場を獲るために、今は利益を度外視して巨額の資金を燃やしながら突き進んでいる状態なのさ。グループの稼ぎ頭である不動産部門の利益をつぎ込んでこの巨大な「電気自動車の夢」を支えているが、それが叶うとは限らない。
……え? 何十兆ドンも赤字なの!?
そういうことさ。これこそが「熱狂(ユーフォリア)」の正体だ。投資家は現在の利益ではなく、遥か彼方の「未来の夢」を買っている。このハイリスク・ハイリターンの賭けに勝てば莫大な富を得るかもしれないが、もし成長が鈍化すれば真っ逆さまだ。夢に酔わされての「高値掴み」は、投資家にとって死を意味するのさ。
ベトナムの社会変化と今後の成長ストーリー
でも、ベトナムという国自体は成長するんでしょう? ビングループはその中心にいるのよ。希望はないの?
もちろん、希望はある。だからこそ、これほどの期待(バリュエーション)がついているんだ。それを指し示すニュースがこの通りだ。
- 国家ぐるみの「自律走行」モード: 政府はGDP成長率10%を目指し、国内企業を育成中。EVやハイテク産業に有利な政策を次々と打ち出している(出典)。
- インフラ投資の爆発: 2026年に向けて高速道路、港湾、高速鉄道の建設が加速。「VinSpeed」がその主役になろうとしている(出典)。
- 中間層の拡大と都市化: ベトナムの人々は「マイホーム」と「マイカー」を欲しがる。この巨大な内需が、グループの底力を支えている(出典)。
国が成長すれば、ビングループも成長する。一蓮托生なのね。
借金という名の「巨岩」…リスク要因
だが、光が強ければ影も濃い。どんな晴れた日にも、嵐の予兆はある。彼らの有利子負債は膨れ上がり、2025年度の自己資本比率は過去最悪の1.7倍に達した(出典)。金利が上がれば首が回らなくなる。また、EV事業の赤字だ。不動産が売れなくなれば共倒れになるリスクがある。さらに、事業を広げすぎて経営効率が悪くなる「コングロマリット・ディスカウント」の罠だ。アナリストはこれらを理由に評価を割り引いている。
借金に赤字……。まるで戦争直後のタラね。でも、タラは復活したわ!
それは君が必死に働いたからだ。ビングループも必死だが、世界経済の波や金利という天気には逆らえない時がある。
明日は明日の株が来る!
レット、私決めたわ。
ほう? その輝く瞳は、この「未来を先取りしすぎた」と言われる株を買って、新しいドレス代どころか、タラの屋敷を金箔で塗り固めようという魂胆かな?
ええ、その通りよ! 私、このビングループを「買い」で行くわ。それも、迷いなんて一切なしにね!
……やはり君は面白い。多くの投資家は、今の評価額が高すぎると言って二の足を踏んでいる。現在の利益よりも、遥か先の成功を織り込んだこの株価は、普通の人間には「不確かな夢」に見えるはずだが。
「普通」の人間にはそう見えるでしょうね。でも、私にはわかるわ。これは単なる数字じゃなくて、ベトナムという国が世界を驚かせるための「入場料」なのよ。国を挙げてEVを作り、鉄道を引き、未来を創ろうとしている……その中心にいるのは誰? ビングループだけじゃない!
フフ、相変わらず君は、燃え上がるアトランタから飛び出すような「信念の勝負」が大好きだな。財務の拡大、未踏の地への挑戦……。
そうよ! ベトナムの「ナショナル・チャンピオン」として、世界中が無理だと言うことを現実に変えていく……そんな圧倒的な生命力に、私は賭けたいのよ! だって、明日は明日の株が来るのですから!
ハハハ! 実に君らしい。その強欲さと、「明日」という言葉に無限の可能性を見る厚かましさは、株式市場のどんなアナリストよりも真理を突いている。いいだろう、スカーレット。共に歩み、この国の新しい歴史が刻まれる瞬間を特等席で見届けようじゃないか。
ベトナム株に関心のある皆さまへ
ビングループ(VIC)は、「ベトナム経済の成長そのものに賭ける、ハイリスク・ハイリターンな銘柄」です。現在は指標面で極めて割高な水準にありますが、同国の国策テーマを一身に背負う存在感は唯一無二です。
これから株取引を検討中の方で、スカーレットと共にベトナムの熱気を感じ、投資への第一歩を踏み出したくなったら、ネット証券最大手のSBI証券を覗いてみてください。ビングループ(VIC)をはじめとして、ベトナムや、東南アジア株式の取り扱いに強いネット証券となります。
当ブログは、各企業の公式IR資料やベトナム現地の主要報道に基づき、情報提供および独自の考察を行うものであり、特定の銘柄への投資勧誘を目的としていません。記事制作には万全を期しておりますが、内容の正確性・完全性を保証するものではなく、投資にはリスクが伴います。最終的な投資判断は必ずご自身の責任(自己責任原則)において行い、結果について当方は一切の責任を負いません。



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